集落

この度、東京に行く途中、新幹線の中からある発見をしました。
それは、米原あたりからでしょうか、
農家が一か所に集まり、周りにたんぼがあるのです。
それがどしたん?と言われそうですが、
これまで、私の見た広島の田舎は
農家がぽつんぽつんと点在していたのです。
家内の実家、広島市安佐北区可部町や
まさこちゃん家(ち)の実家、東広島市黒瀬町あたりもそうでした。
(Cf. 7・19 「鰹のたたき」)
つまり、自分の家の周りに田や畑があり、そのむこうに隣の家があるのです。

それが、新幹線の中から見ただけですけども、
米原、関ヶ原あたりの農家はどうも様子が違う。
何軒かの家が集中し、周りに広い田んぼがあるのです。
少し離れたところに、鎮守の森もありました。
列車が進むにつれて、この様な集落を何カ所か見かけました。
広島とちょっと様が違うのです。

実は、昔、これと似た集落をヨーロッパで見たことがあります。
ハンブルグからパリまでの間、飛行機の上から見ると
数戸の農家が一か所に集まり、周りが畑になっているのです。
それが、このような集合した農家の家々、集落がかなりあるのです。
そして、パリからモンサンミッシェルに行く途中、
バスの中からみたノルマンディー地方の農家も同じでした。
しかも、こちらでは集落を囲うように塀まであるのがわかりました。

これはどういう事でしょうか?
乗り物の中から見ただけですから、短絡的なことはいえません。
これから先は、私の独断と偏見です。

この集落の形を採る背景として確かに、
水の便、地形の具合があるかもしれません。
でも、私が一番に思い浮かべたことは、
日本の場合、野武士や隣国の兵士などから
家族を守るため集落をつくったのではないでしょうか?

この地方は西に京都があり、東に武田、織田、徳川などの武将がおりと、
要所にあたり、戦が絶えなかったのではないでしょうか?
そのために、農家は一か所に集まって、
共同で防衛にあたったのではないでしょうか?

ここで思い出すのが、そう、黒澤明の映画「七人の侍」です。
収穫の秋になると、決まって「野伏せり」がある村を襲ってきた。
そこで考えた末に、村人は武士を雇い、村を守ってもらうことにした。
雇われたのが勘兵衛をはじめとする七人の侍。
知将、勘兵衛は離れた所にある農家はそのままにして、
一所に集まった農家の周りに防護柵を作り、
農民にも戦い方を指導するなどして、来襲に備えた。
はたして、野伏せりが襲ってきました。
その戦闘シーンのすさまじさは皆さまの目にも焼き付いているでしょう。
野武士は全滅したけれども、味方の武士も七人中四人が死んだ。
そして、勘兵衛は
「勝ったのはあの百姓達だ。俺達ではない。
百姓は土と共に何時までも生きる。」とつぶやきました。

農家の人びとはその土地にしがみついて、子子孫孫にわたって生きていく。
一つの所に命を懸ける、つまり、一所懸命なのである。だから、尊い。

さて、西洋でも基本的には同じようなことではないでしょうか?
国々が地つづきなった欧州ではつい最近まで、
いろいろな国が攻めてきたり、攻めていったり、
時には蒙古軍の来襲までありと、農家は戦禍にさらされました。

こうした所で、ぽつんと1戸の農家ですと、
たちまち侵略者の餌食になるのは目にみえています。
だから、農家の人は一か所に集まり、
一致団結して防御にあたったのではないでしょうか?
確たることは言えませんが、フランス、ドイツあたりでは
野中の一軒家というのをあまり見なかったような記憶があります。
よしんば、あったにしても、それは要所でない場所か、
つい最近の家ではないでしょうか?

それらの中のある集落は、
その場所が広大な平地で、水の便がよく、交通の要所なら、
やがて大きくなり村となり、街となり、
更に、大きな城壁をもった都市となったのではないでしょうか?
その都市を守るために、領主と兵士が必要になってくるでしょう。
臨時雇いの七人の侍では間に合わなくなるのです。

勿論、都市の全てがこのようにして大きくなったわけではないでしょう。
港、寺院、市場、温泉地など中心にして発展した都市もあるでしょう。
いずれにしても、欧州では城壁は必要欠くべからざるものでした。
パリも大昔には城壁があったそうです。

※ハンブルク(Hamburg)で思い出しましたが、ブルク(Burg)は
ドイツ語で城壁を意味するそうです。
フライブルク(Freiburg)などなどドイツではブルクだらけです。

また、不思議なことに、このブルクは他の国にもあります。
ヨハネスブルク(Johanesburg;南アフリカ)、
ピッツバーク(Pitsburgh;米国)、エディンバラ(Edinburgh;イギリス)、
サンクトペテルブルク(Sankt-Peterburg;ロシア)、
ストラスブール(Strasbourg;フランス)
私の研究社 羅和辞典に「burgus」=城、郭外市とあります。
これが元ですかね?


それにしても、かの柳田国男は日本の岸にたどりついたヤシの実から、
日本人の起源を探ろうとしました。
方や、私は安直に、乗り物の中から「大発見やー」と
ひとり息巻いていましたが、
この集落に関しては、村落地理学という学問として
ちゃんと成り立ているそうです。

でも、E・S・モースのように列車の中から
大森貝塚を発見した例もあります。
今後、車中からとただ漫然と見るのではなく、
しっかりと目を凝らしてなくてはと思ったのですが、
どうも、初めて新幹線に乗った稚児のようでいけません。
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