iPad(改)

先週、広島市内で古本市がありました。
古本大好きな私はさっそく初日のお昼前に訪れました。
場所は広島市紙屋町にあるシャレオ中央広場、地下街です。
60台ぐらいのワゴンがあったでしょうか。
平日にもかかわらず、多くの人々が
目を皿の様にして本を探していました。
私も何点か購入しましたが、
思っていた本にめぐり会うことが出来ませんでした。

この古本市場から1キロ以内の近くに、
金正堂という老舗の本屋さんがありました。
この金正堂がつい最近、店をたたんだのです。
それを聞いた時の驚きは一様ではありませんでした。
広島の目抜き通り、本通りのど真ん中にあるあの本屋が!!!
子どもころからつい最近まで、私にとって心のオアシスでした。
友達、家族の待ち合わせまで、この場所でおこなっていました。

前にも書きましたが、この広島の目抜き通りは、
コーヒーショップ、シューズショップ、携帯ショップ等々、
今や外資企業、外様企業の天下となり、
地場商店の多くは家主になってしまいました。
本屋も同じように、紀伊國屋、ジュンク堂など
全国チェーンの大型書店がじわじわと進出してきております。

でも、その大手本屋さんも、うかうかしておれません。
そう、iPad(アイパッド)やスマートフォンなど
電子ブック、電子書籍の登場です。
大手メーカーは競うようにして、精密で高機能な電子ブックを手掛けています。
また、ソフトの方も充実させようとやっきになっているようです。

実は、私も以前、あの青空文庫で昔の小説を
パソコンで何度か読んだことがございます。
http://www.aozora.gr.jp/
でも、短編小説はまだしも、長編小説を
パソコンのモニターで読むとなるとやはり疲れます。
目がしょぼしょぼしてきます。
しかも本に書き込みが出来なく、ストレスがたまる一方でした。

しかしながら、私の気持ちとはうらはらに、
この電子書籍への大きな流れには抗しがたいものがあります。
電子書籍では、書き込みが出来ない、赤線も引けないと思っておられる方、
それも技術の進歩で可能になり、
希望の箇所はコピー・アンド・ペーストで紙にプリントアウトでき、
パソコンの特定のホルダーにストックも出来るようになるでしょう。
(もうすでに、なっているのかな?)
しかも、場所をとらない。
どこかの誰かのように、本箱の棚が抜けて落ちることもなくなります。

あの大切なお金ですら、もうとっくに電子化されています。
いわんや本においてをやです。
これからどんどんとソフトも増えるのはないでしょうか?

でも、この形態が隆盛をきわめれば、世の中ゆゆしきことになります。
紙製の本しか読まないから関係ないと思っておられる読書家の諸兄、
実はそう安閑としてはおられなくなるのではないかと危惧しております。

原稿を紙にする、本にするということはやはりリスクを伴います。
出版社もそのリスクを避けるため、まず、電子書籍にして発売し、
売れ行きが好調なら本にする。そうでない原稿は電子書籍のまま。

ということは、古典文学、学術書、専門書、写真集、楽譜等々、
それぞれ分化、特化した分野の書籍の出版が減少し、
なかなか手に入れにくいという状況がおこりうるということです。
出版社もそこまで危険を冒したくない。従って、出版を差し控える。

さて、ここでご注意を一つ申し上げましょう。
私の体験談ですが、以前「DVD版平凡世界百科事典」を購入しました。
Windows95のバージョンでした。
調べ物をし、好きなところをコピー・アンド・ペーストでき、
それはそれは重宝いたしました。

でも、Windowsのバージョンがアップしてきた時点で、
このソフトは使えなくなりました。
このDVDの制作会社が変わり、パソコンのバージョン・アップに
対応してくれなくなったのです。
このソフト、確か2~3万円したと思います。ショックでした。

これと同様の事はおきるのではないかと危惧しております。
例えば、ある書物の出版社が潰れたとしましょうか。
その間、電子ブックの機械はどんどん進歩する。
そして電子書籍の規格・基準も変わってくる。
そして、何年か後、その書物を紐解こうとしても、
機械が読みいとってくれないという事態は起こりうるのです。
各メーカーは自社の製品しか考えない。
ましてや、倒産した出版社の本など…

その点、紙で出来た本はそんな心配はありません。
バージョンアップなんぞ、全く関係ありません。百年前の本でも読めます。
鉛筆でいくらでも落書きができます。
そのかわり、場所をとりますが…(今度は床がねけるかも)

ロビンソン・クルーソがiPadを持って、
無人島で「ロビンソン・クルーソ漂流記」を読む。
でも、電池がなくなったらどうするのでしょう?
紙製の本ならその心配はいりませんがね!


追伸
今日、電子書籍に関する記事を発見しました。
書店ビジネス崩壊の危機 深刻な米国研究・出版事情
米書店チェーン2位のボーダーズ・グループが2月、倒産した。
同首位のバーンズ・アンド・ノーブルも赤字が続き、店舗の削減を進めている。
インターネットでの書籍販売や電子書籍が日本以上に普及した米国では、
書店ビジネスそのものが崩壊の危機にある。
大学キャンパスからは図書館さえも姿を消そうとしているという。
書店の苦境ぶりは日本も同様だ。
ネット社会の中で足元が揺らぐ書店ビジネスと、
デジタル技術で輪郭を失い始めた書籍の明日の姿とは。』
(朝日新聞WEBRONZAより)
http://webronza.asahi.com/science/2011030900003.html?ref=left

米国って、どうして、こう極端から極端に走るのでしょうか?
背筋の寒くなる思いがします。
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Hocco21

Author:Hocco21
手前、生国と発しますは
芸州・ひろしまです。
小さい折から、太田川の
産湯を使い、
長じましては宮島の弥山を
眺めてその日暮らし、
年金生活をおくってます。
さあて、ここに
取りいだしたるは、
本や音楽のお話、
また、映画や写真の話題、
それに、楽しい話に、
くだらねー話と、もり沢山!
御用とお急ぎでない方、
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