もったいない

『スーツケースの鍵を複製しようと東エルサレムの鍵屋へ行った。
日本では門前払いで受け付けてもくれなかった複製を、わずか5分で作成。
「合わなかったら鞄を持ってきて」とアフターサービスも万全。
やはりダメだったので、鞄を持って行ったら、
その場で調整してくれ、見事開くように!
ついでにスーツケースのタイヤの修理を頼んだら、
少し渋ったものの、1~2時間でさっそく直してくれた。
しかもたったの500円。

・・・アラブの技術力に感服!日本はチェーン店が増えたおかげで
(Mister Minitとか)個々の技術水準自体は落ちてる気がする。
手数料と日数ばかりはかかるくせに。』


どうです?
これは娘のfacebookへの最近の投稿から、無断で引用したものです。
娘は現在イスラエルにいます。

また、こんな例もあります。
1997年のイラン映画に「運動靴と金魚」という佳作があります。
この映画のトップシーンは運動靴を修理する職人さんの絵から入ります。
子供の使い古した運動靴を修理する職人さんがいるのです。
革靴ならまだしも運動靴の修理なんて信じられますか?
この当時イランでは、運動靴はまだ高価で
一般家庭ではそうやすやすと買えなかったようです。
この映画では妹の運動靴を手に入れるため、
健気にがんばる兄の姿があたたかく描かれています。

中近東ではまだいろいろの職種の職人さんがいるようですね。
では、日本ではどうでしょうか?

私が子供の頃、「こうもり傘のはりかえ~」と町をまわりながら、
各家庭の傘を修理いて歩く人がいました。
また、鍋や釜を修理している風景を見た記憶もあります。
昭和20、30年代の日本はまだまだ貧しかったのです。
靴、傘、カバン、などは修理しながら、ボロボロになるまで使っていました。
弟妹の服は兄姉のお下がりで、ツギハギがあてられていました。
布団は勿論、その家その家で打ち直ししていました。

このように、昔の人は物を本当に大切に扱い、
修理をしながらでも一つのものを長く使いこんでいました。
それは、壊れた、古くなった、破れたといって、買い直すほどの
経済力は一般家庭にはなかったのかもしれません。
だから、そのまま捨てるのは不経済で余りにももったいなかったのです。

「もったいない」 そう、この頃、この「もったいない」
という言葉、気持ち、行動は本当に徹底していたような気がしております。


では、現在はどうでしょうか?

「消費は美徳である」という言葉が昔もてはやされました。
「所得倍増計画」などで、日本は高度経済成長を歩み始めた頃だと思います。
そして、3C時代(車、クーラー、カラーテレビ)と謳われたように、
規格された商品の大量生産、大量消費の時代がはじまったのです。
やがて、大型量販店が全国各地にどんどんと進出し、
地域の小売店がしだいに姿を消していきました。
結果、かつての目抜き通りは、今やシャッター街と変わっていきました。

そして、いろいろな職人さんもいなくなった、少なくなったのではないでしょうか。
今では、各仕事、客対応が完全にマニュアル化された、
いろいろな種類の全国チェーンの店が進出してきおります。
時には、お客様細かいニーズに対応できなこともままあるようです。

先日、ある有名衣服チェーン店でYシャツを買いました。
首周りのサイズを優先し、L寸を買ったのですが、袖がとてつもなく長い。
この店では、S、M、Lといったサイズしかないのです。
だから安いのかもしれませんが…

また、こんな例を思い浮かべてください。
例えば、あなたが長年使っていたある電気製品が壊れたとしましょう。
大手電気店に持って行くと、店員さんが
「修理代が高くつくので、新しく買った方がトータルで考えると安いですよー」
「しかも新しい物はこんな機能までついており、省エネにもなっています」
と言われたことはありませんか?
私なんぞは、「ああ~そうか!」とついつい新しい製品を買ってしまいます。

更に、こんな事もあります。
「使い捨て」商品の出現です。
カメラ、歯ブラシ、ライター、コンタクトレンズ、カイロ、
紙コップ、食器、おむつ、割り箸、…

この中で、私の子供時代にあったものといえば、割り箸しかありません。
「使い捨て」、これは日本が経済的に豊かになったという証なのでしょうか?


どうやら、今の日本人は、「もったいない」という思いは
忘れてはいないものの、その考えを実践する機会、場面が
昔に比べずいぶん減ってきているのではないでしょうか?
あるいは、こう言い換えてもいいかもしれません。
日本人は「もったいない」という気持ちは充分あるけど、
いったん壊れたものを修理したくとも、修理してくれる人が見つからない。
だから、お金で解決せざるを得ない状況が多くなっているとー
これって、世の中の進歩という点において、
本当にあるべき姿なのだろかと考えこんでしまいます。

(※私は「ポメラ」という電気式文章入力専用機を長らく愛用してきました。
まだ使えるのですが、利便性に勝るミニ・パソコン「LifeTouch NOTE」に
このほど買い換えてしまいました。
これまで、偉そうな事を延々と話してまいりましたが、
私も所詮、戦後生まれ。
「もったない」という精神は充分に身についていなのですねー)
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プロフィール

Hocco21

Author:Hocco21
手前、生国と発しますは
芸州・ひろしまです。
小さい折から、太田川の
産湯を使い、
長じましては宮島の弥山を
眺めてその日暮らし、
年金生活をおくってます。
さあて、ここに
取りいだしたるは、
本や音楽のお話、
また、映画や写真の話題、
それに、楽しい話に、
くだらねー話と、もり沢山!
御用とお急ぎでない方、
さあて、お立会い!

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