「舟を編む」

「舟を編む」という映画を立て続けに3度観ました!!!
こんな経験は初めてです。
キネ旬第2位など、数多くの賞を受けているのが納得できました。

「舟を編む」とは「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」
という意味だそうです。
<ある出版社で新しい辞書の編纂という難事業に取り組む事になり、
マジメで不器用な青年が配属された。
この辞書を監修する先生や先輩達の指導のもとに、
辞書の世界の奥深さを教えられていく彼は、やがて一人の女性と巡り合う…>

所で、映画の中で、「右」という言葉ついて、どう説明するかというが話があります。
早速、私の手持ちの辞書の中で、最も発行が古い「言海」(大槻文彦)をあたりました。
「人ノ身ノ南へ向ヒテ西ノ方」(明治37年版)とあります。
不思議なことに、広辞苑など現代の辞書も多く、ほぼ同様な言い方で書かれています。
人によっては心臓が身体の中心にある方おられるので、
「心臓のある方と反対側」とはいかないのだそうです。
(※ロングマン英和辞典では心臓の基準にしているようです)
で、映画では「10」という数字を書き、「0」の方が右だと説明しています。

しかし、言葉そのもの意味は、目の不自由な人、耳の不自由な人も用います。
「南」という方角は磁石が無いとわかりませんし、
ましてや、目の不自由な方々は「南」といい、
「10」という数字をどう判断すればいいのでしょうか?
そこで、私は寝ずに考えました。
「ピアノの弾いた時、高音が出る側が右、低い音が出るのが左。
また、聴覚の不自由な方は、『YAMAHA』と書かれている『A』の方角が右」
いかがでしょうか? 文章が長すぎる! すみません。
こんな単純な言葉の一つの注釈にも辞書編集者は人知れぬ苦労をされているようです。

人は言葉によって、頭の中の、もやもやした考え、気持ちを明確化することが出来、
その言葉によって物事を考えることが出来、更に、記憶することも容易になります。
人とのコミュニケーションは言葉によってなされ、
相手の気持ちをより深く理解するためには言葉の意味を習熟しなければならないし、
逆に、自分の気持ち、考えをより的確に伝えるには適切な言葉を選ぶ必要があります。
まさに、「はじめに言葉ありけり」です。その一助となるのが辞書だと思います。
そのような事がこの映画で心温かく、ユーモラスに描かれています。

映画は原作本に及ばないというのがほとんどですが、
この映画は原作本「舟を編む」(三浦しをん)に勝るとも劣らない出来映えだと思います。
原作本にない仕掛けがなかなか上手くこなされています。
素晴らしいと思います。文字大好き人間の私は何と言っていいのか、言葉がありません。
こんな時、彼等の編んだ新しい辞書『大渡海』があれば、
いい言葉が浮かぶかもしれませんね。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Hocco21

Author:Hocco21
手前、生国と発しますは
芸州・ひろしまです。
小さい折から、太田川の
産湯を使い、
長じましては宮島の弥山を
眺めてその日暮らし、
年金生活をおくってます。
さあて、ここに
取りいだしたるは、
本や音楽のお話、
また、映画や写真の話題、
それに、楽しい話に、
くだらねー話と、もり沢山!
御用とお急ぎでない方、
さあて、お立会い!

この度、「カテゴリー」の欄に
「私のお気に入り」という項目を
作成しました。
御用とお急ぎの方、
この「私のお気に入り」を
クリックてみてください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード