素敵な本

本にはすいすいと読めるものと、なかなか先に進めない本があります。
前者は私の能力に合い、私の呼吸法にぴったりそった本です。
後者は、到底、私の能力に及ばないものや、
潜水夫のように長時間息を止めてないと読みきれない本がほとんどです。
もっとも、これは本の内容の深さには関係ないことは
一言お断りしておかなくてはいけません。

さて、後者の中にも、一見読みやすく、マイ・ブレスシングにぴったりだけど、
閉じたり、開いたりしなと先に進めない、歯がゆい思いを強いられる本があります。
このたび、こうした、ちと困った本に遭遇しました。
夏川草介の「神様のカルテ」(小学館文庫)がそれです。

読み始めると、すっきりとした文章にのせられ、
馬がギャロップを踏むように心地よく進んでいきます。
しかし、あるところにくると、いつの間にか目頭が濡れ、
文字を追うことができなくなくなります。
人目をはばかって涙をぬぐい、深呼吸して再び本を開く、
そういった苦行を何度か強いられるのです。
このようなやさしく平明な文章なら半日で読めるはずですが、
私は丸一日もかかりました。
しかも、お涙ちょうだいといった、薄っぺらい内容ではないのは、
数多くの死と直面されてこられた医師ならではないかと感服しております。

世の中の現実は、人を押しのけ、我が利益のためには
他人を省みないということはしばしばあることは承知のとおりです。
年のせいでしょうか、人をだましたり、脅したり、殺めたりといった本が
だんだん苦手になってきたような気がしております。
甘いセンチメンタリズムと言われても仕方ありません。
醜いことは現実の世界で充分です。
せめて仮想の世界だけはかくありたい、
この本を読み終えたところで、何故かこんな変な感想をもちました。
ノウテンキなこの年寄りをどうかご一笑ください。

PS. 木元様、この素敵な本を紹介いただきありがとうございました。
  先ほど、ブックオフで「神様のカルテ 2」を見つけました(笑)
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Hocco21

Author:Hocco21
手前、生国と発しますは
芸州・ひろしまです。
小さい折から、太田川の
産湯を使い、
長じましては宮島の弥山を
眺めてその日暮らし、
年金生活をおくってます。
さあて、ここに
取りいだしたるは、
本や音楽のお話、
また、映画や写真の話題、
それに、楽しい話に、
くだらねー話と、もり沢山!
御用とお急ぎでない方、
さあて、お立会い!

この度、「カテゴリー」の欄に
「私のお気に入り」という項目を
作成しました。
御用とお急ぎの方、
この「私のお気に入り」を
クリックてみてください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード