身を尽くし

高田郁の『みをつくし料理帖』(全10巻)(ハルキ文庫)を
友達から借りて読みふけっています。
恥ずかしながら作者の名前なんぞ、全く知りませんでした。
でも、大変面白いのでこうして書く気になりました。

さて、お話は江戸時代。大坂で水害にあい両親を失った澪(みお)は
引き取られた元名代の料理屋の女将(寮さん)と江戸に出ます。
下町の小料理屋で調理場を任されたこの少女は、
お客に新鮮で美味しいものを提供しょうと身を粉にして働きます。
負けん気でやさしい彼女はやがて周りの人からも受け入れられ、
次第に仲間が増えていく。

ある時、長屋の隣の奥さんが子どもからうつされた麻疹に罹り寝込んでしまいます。
それを澪とご寮さんが寝ずの看護を続けます。
と、その奥さんのご主人が治りかけた息子の肩を抱いて、
『良いか、太一。忘れんじゃねぇぞ。ご寮さんと澪ちゃん、
あのふたりがおっ母に・・・
俺たちにしてくれたことを、決して忘れんじゃねぇぞ』

所で、この澪という名前は澪標(みおつくし)からきているとか。
元々は、船が浅瀬に乗り上げないよう航路を示す標識で、
「ミヲ(水路)」+ツ(格助詞)+クシ(串)から成る語だそうです。
(※大阪市の市旗はこの澪標をかたどったものだそうです)
しかし、この言葉から、「身を尽くし」と転じてとらえられ、
古今の和歌に多くの詠まれています。

料理士、澪は自分のことはさておいて、周りの人々のために
「身を尽くし」いていきます。
すると周りの人々も彼女に影なり日向なりして
援助していくことになります。

でも、こうした人たちをみて、現実の世の中はこんなに甘くないよと心の隅に浮かびますが、
読むに連れて、ティッシュが何枚も必要になってきました。
甘い甘いセンチメンタセンチメンタリズムだとわかっているのですが、
次へ次へとページをめくってしまいます。

こうした空け者(うつけもの)はどうやら私だけではないようです。
『この時代小説がすごい!』(宝島社)という
書評ランキングで1位だそうです。
料理に興味のある方、巻末にレシピまで掲載されています。
そして私のように単細胞の方、フィクションが単純に受け入れられる方におすすめいたします。

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さあて、ここに
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