母子草

この所、高田郁の作品に嵌っています。
「みをつくし料理帖」「銀二貫」、
そしてこの度、「出世花」を読みました。

この小説の女主人公は武家の娘、旅中、毒草にあてられ父を失い、
本人もあるお寺で何とか救われます。
このお寺、青泉寺では、死者を湯水などきれいに洗い清め出棺していたのです。
そう、映画「おくりびと」にも出てくる納棺師です。
この小説では「屍(かばね)洗い」と呼ばれていますが、
彼女もやがてこの道に入ってゆくのです。

この本では4篇ありますが、圧巻は最後の章です。
子を思う母の気持ち、母を慕う子の心根。
それがある運命によって、引き裂かれてゆきます。
世間から、なんと冷酷なと思われようとも
互いに想い合う気持ちで、二人はじっと耐えてゆきます。
このあたりの解きほぐしが実に見事です。
それが母子草という野草になぞらえることよって
あざやかに表現されています。
心ふるえる一編です。

所で、タイトルの「出世花」の「出世」とは
仏教では世を捨てて仏道に入ることだそうです。
この本の裏表紙に、「著者渾身のデビュー作」とあります。
これが初の作品、なんとおそろしい作家が現れたものだと驚嘆しています。
なお、あとがきに続編は必ず書くと本人が語っていますので、
これは楽しみなことだとわくわくしております。
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