「麻婆豆腐とリーガル・シューズ」

今晩、東京から1ヶ月ぶりに帰ってきました。
家内はまだ娘の所にしばらくいるようです。

所要のため広島に帰らねばと思っていた所、
昨日、奈良の姉が上京し再会することができました。
これは甥がコーディネートしてくれたのもので、
恵比寿にある、姉のお気に入りの高級中華料理店でご馳走になりました。

お腹いっぱいいただきましたので、何を食べたのか記憶にありません。
ただ、辛いものが苦手な姉が、必死になって麻婆豆腐を食べてたのですが、
ギブアップしたことだけが記憶にあります。
でも、姉のハリのある大きな声と、からからと笑う様子を見るにつけ、
奈良で一人、元気に暮らしているというのがうかがえ何かほっとしました。

そして、この場を設定してくれた甥(姉の長男)の様子を見ていると
彼の父親そっくりだなという思いがふと頭をよぎりました。

私が学生時代、姉夫婦の所に一時期、居候したことがあります。
当時、私の父はすでに退職し、年金生活でした。
でも、大学生の私と高校生の弟がまだいたのです。
生活はとても苦しかったので、姉夫婦の所に駆け込んだのです。

そんなある日、義兄がリーガルの靴を買ってくれました。
あの定番のスリッポン・タイプの革靴です。
でも、歩いてみるとちょっと大きいのです。
何日か履いていたのですが歩きにくくて、どうもいけません。
このことを義兄には言い難く、友たちに500円位で売って、
そのお金を元手に、その靴と全く同じタイプの靴を買い替えました。
義兄の面倒見のいいのは私だけではありませんでした。
弟の就職の世話までしてくれました。

おふくろも、何かあれば、「みつひろ、みつひろ」
と心底頼りしきっていました。
そんな義兄がおふくろよりも先に逝ってしまいました。
そのショックは尋常ではありませんでした。
でも、面倒見のいいところ、人のために身を粉にすることを
いとわないという気質は姉妹、そして長男にちゃんと受け継がれていました。

この日も雨で足場の悪いということもあって、甥夫婦は
我々を恵比寿ガーデンプレイスなどを案内してくれました。
そして、タバコも吸えるゆったりした喫茶店で、時を忘れて談笑しました。

きょう、帰りの新幹線の中でこれらのことが自然と思い出されました。
義兄のリーガル・シューズにも私はちゃんとお礼が言えたのだろうか?
麻婆豆腐のお礼の気持はちゃんと伝えられただろうか?

私は、こうして書くことにはそれほど不便を感じませんが、
自分の心にある思いを、言葉や態度に表すことに苦手なのです。
本当に有り難いことだ、また手伝ってあげたい、優しくしてあげるべきだと
いった気持ちがあっても、それが素直にぱっと表せないのです。
新幹線の車窓に流れる雨模様を眺めながら、
こんなグズで不器用な自分をどうしようかと
持て余している自分がいました。
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芸州・ひろしまです。
小さい折から、太田川の
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眺めてその日暮らし、
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さあて、ここに
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本や音楽のお話、
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くだらねー話と、もり沢山!
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