家船

昨夜というか今朝方までかけて、
上橋菜穂子「虚空の旅人」を読み上げました。
これがシリーズ第4巻になるそうですが、
各巻とも特長があって大変おもしろいです。

さて、この第4巻には、家船の話が出てまいります。
日々の生活のほとんどを船の中で過ごす人たちのことです。
実は、この家船は瀬戸内海のある島に実在していたのです。
3、40年以上も昔、その島から家船の家族について、
全国放送したことがあります。

この本にもありますが、彼らはいりくんだ潮の流れを正確によみ、
風の吹き具合も肌で読み取ることができた。
潮にはそれぞれ温度差があり、塩分濃度それに、
プランクトンの量、質とも違うといいます。
それら潮の重なりあう所、確か潮目とおっしゃっていましたが
そこに多くのプランクトンが発生し、多くの魚が寄ってくるのだそうです。
それらを正確に読み取ることは大変難しく、一般の漁師もかなわなかった。
それが出来たのは家船の民と海鳥だけだといわれています。
従って、彼らは遠く五島列島あたりまで、
小船一艘で出かける事ができたのだそうです
そした知恵は、毎日船上、家族で生活する中で、
大昔から親から子へとえんえんと伝えられてきたのです。

私が取材して頃は、その子どもたちは小中学校の義務教育化で、
陸上生活を余儀なくされていました。
水上生活をしている親は年に数回、その島に帰ってくるという
近代化の波にのまれた最後の頃ではなかったかと想像しています。
今も、こうした家船があるかどうかも知りません。

作者・上橋菜穂子氏もおそらくそうしたことを取材された上で、
彼ら水上の民をあたたかく描いておられるのだ思いました。
いくらファンタジー小説とはいえ、空想ではとても描ききれないことでしょう。
さすが、文化人類学だけのことはあると感心しました。

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※写真はイメージカットです(笑)
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