『東慶寺花だより』

井上ひさしの『東慶寺花だより』を読み終えました。
やはり並みの小説家じゃありませんね、この作家は。

すんなりと入っていける導入部、
夫婦の機微を一枚一枚ときほぐしてゆく巧みな筋立て。
そこにあの鎌倉の四季折々の草花が彩りをそえています。
なによりも言葉が美しい、
そして、その用いようが人の息づかいにぴったりとあっています。
それぞれの会話の中でその場の情景が手をとるようにわかるのです。

私は読んでいる途中、ふと、オー・ヘンリーを思わず思い出しました。
それぞれのお話の最後をほどよい所でスパ~ンときり、
その余韻をかもしだしている。
『うちの人もいっしょ。あんまり急いでいたものだから髭を当たる暇もなかったの』
「石蕗の章 おゆう」の最後の文章です。

オー・ヘンリーもそうであるように、
人の心のあたたかさがじわーつと胸にひろがってきます。
久し振りに名文を堪能できました。
映画が楽しみです、
トラばあさんは樹木希林がやるのでしょうね(笑)

※ なお、「石蕗」とは「つわ、または、つわぶき」と読むそうです。
山口県の津和野はこの「つわ」からきたとか?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%AF%E3%83%96%E3%82%AD
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