乳の数 <補足>

チャールズ・ダーウィン『種の起源』と
川端康成の『山の音』を平行して読み上げました。
『種の起源』は言わずと知れた近代生物学の礎となった大著、
方や。あの山本健吉をして「戦後日本文学の最高峰」と言わしめた名品です。

実を申し上げますと、『種の起源』は学生時代から何度か挑戦し、
いつもその難解さに断念していました。
それが、光文社古典新訳文庫版でやっと読み終えることができました。
原書を読んだことがないのでよくわかりませんが、
翻訳家によりますとダーウィンさんは悪文で有名なんだそうです。
だから、英国国教会が「あなたを誤解し、最初の我々の反応が誤りだったために
まだ他の人々があなたを誤解していることに対して謝罪する」
という表明をようするまで、150年近く時間を要したのでしょうか(笑)

一方、『山の音』は透明で繊細な筆致は、
『伊豆の踊子』『雪国』を読んでいるようです。
その分、主人公の年齢は徐々にあがり、この作品にいたっては
私と同年代になっています。
我がことのように読みふけりました。

さて、『山の音』を読んでいますと、野良犬のテルの話が出てきます。
息子の嫁がその犬の父の数を数えると10個あるそうです。
で、調べてみますと、猫は8個、牛4個、豚ななんと14個、
そして猿は人と同じ2個だそうです。

でも、雄にも同様の数の乳があるはずです。げんに私だって2つあります。
所がダーウィンさん自然淘汰の説に寄れば、
不要器官はやがて退化し、無くなってゆくのではなかったでしょうか?
つまり男性のオッパイは無くなってゆくハズですが~

そこで昔読んだ本のことを思い出しました。
永田和宏「タンパク質の一生」(岩波新書)という本の中に、
『元々は雌になるべく発生してきた胎児が、
ある特定のタンパク質を作り出した場合だけ雄になる』
つまり、女は「存在」だが、男は単なる「現象」にしかすぎないのだそうです。
それがため、染色体の数も女性の方が1.020個多いそうです。

世の男性諸君、崇高なる女性に喧嘩を売ろうなんてこと
ゆめゆめ思ってはなりませんぞ!
敵はあなたのはるか上をいっております。

<補足>
所で、『種の起源』の根幹をなす「自然淘汰(自然選択)」という言葉は
原語では「natural selection」と書かれています。
私はこの本を読む以前、環境に適合しない生物は長い期間をかかって、
「自然に(naturally)」、ひとりでに滅びてゆくものだと思っていました。
しかし、彼の説によれば、「自然(natural)」が
厳しい自然環境に適合したものだけを選び(selection)、
不適合な生物を容赦なく切り捨てていくということなんですね。

つまり、いくらその種の数が多くとも、氷河期がおとずれ、
その寒さに対応出来なければ死滅してしまうというでしょう。
また、同じ種どうしが争いばかり続けていれば、
例えば人類のように、その種は滅びてゆくかもしれません。
そこには頭のいい、悪いに関係がないのではないでしょうか?

<補足その2>
S氏 「種の起源」と「山の音」を並行して読み、それを論じるところは、さすがです。
ただ読んでいる途中、犬の父の数・・で一瞬 ?になりましたが

私 一般的にはやはり10個だそうです。でも、不思議なことが1つあります。
犬は概して多産系ですよね、犬帯もそれにあやかっているのでしょう。
まあそれはいいとして、人間より多産だったら、地球上の犬の数は人類より多いはず、
でも現実にはそうはなっていない。どうしてでしょうか?
それを考えると夜も眠れない(笑)
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