距離感

昔、会社の映像部にオカソウさんという鬼軍曹がいました。
私など新参者は常にピリピリしながら彼の前を通っていました。
でも、「おい、ここからおまえん所まで何フィートじゃ?」
私が適当な数字を答えると、「バカヤロー、6.5フィートじゃ!」
と、隣の部屋まで聞こえるような大声でどなられました。
RobertCapabyGerdaTaro.jpg
(あのロバート・キャパがDRをまわしている所です)

昔も今も、放送局のカメラにはオートフォーカスはありません。
私たちが使っていたベルハウエルのDRという16ミリフィルムカメラは
手でゼンマイを巻き上げて撮影という超原始的なもので、
ピントは目測で、3フィートならレンズの目盛りの3フィートにセットしてから
撮らなくてはなりませんでした。ファインダーは画角を決定するためのものでした。
だから鬼軍曹殿が口酸っぱくこのことを指摘してたのです。

3(63).jpg
(木村伊兵衛のスナップ。子どもの楽しい動きを見度とにとらえています。
皆、福助の足袋をはいています(笑)

このことはスチル用カメラもほぼ同じようなことがいえました。
あのスナップ写真の神様、木村伊兵衛はあっという間に、
1、2枚、ライカに収めさっそうと次の撮影場所に移動したといいます。
彼の頭の中にはこの距離計がきっちりと作動していたのでしょう。
オートフォーカス・カメラでピントを前後させている間に、
彼なら2、3枚撮っていたのではないでしょうか?

沢田教一
(ピュリッツァー賞に輝いた沢田教一の写真です)

ピュリッツァー賞をもらった沢田教一カメラマンもライカでもって、
ベトナム戦争であの「安全への避難」を撮っています。
この時のレンズは135ミリという望遠レンズだそうです。
この撮影など、とっさの間に距離を目測し撮ったのだと思います。
まさに神業です。
レンズに付いている距離の目盛りは伊達や酔狂で付いているわけではないのです。

IMG_2250_convert_20150727180243.jpg
(ニコンの古いレンズですが、フィートとメートルの目盛りが刻まれています)

でありますから、私はこれからもせめてピントだけは手動でやってゆきたい思っています。
やはりコンピューターに頼らない、感ピューターで撮るのが楽しい。
勿論失敗の連続ですが、あれでも中に1枚くらい、
これなら~と思える写真が出来上がることがたまにあります。
機械任せのなべて80%の写真より、
数多くの駄作の中から1枚くらい出てくる83%の写真のほうに愛着を感じます。
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小さい折から、太田川の
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