無聊を託つ

雨が降っています、こんな時は例によって
古いレコードをデジタル化してパソコンに取り込んでいます。

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それも極めつけの古いやつ、ティボー、コルトーが1927年に録音したもので、
フォーレとフランクのヴァイオリン・ソナタが収められているLPです。
ティボー(vn)、コルトー(Pf)ともに時代を画する偉大なアーティストで、
ロン・ティボー・コンクールは若手アーティストの登竜門として知られています。
昔の人たちはこの貧弱な音の向こうに、芳醇で優しい実際の音色を想像したのでしょうか。

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古いものついでに、モノクロ映画「望郷」(1937年)を先日観ました。
この映画は地中海に面するアルジェリアのカスバという迷路のような街で、
フランスから逃れたぺぺというボスが故国から来た女性に惚れ込むというお話です。
白い町並みの向こうに船の行き交う様子をぺぺがぼんやり眺めているシーンがあります。
その海の青さ、空の色、きっと美しいだろうな~、
あの船に乗れば故郷に帰れるかもしれない、そんな思いをかきたててくれます。

更に、すばらしい小説に出会うと
その舞台の向こう側の世界を頭のなかに自分なりの思い描きながら読んでいます。
漱石、鴎外、荷風、志賀直哉といった文豪の作品には
なにかそうしたマジックがあるような気がしています。

人って不思議なもんで、現実の姿をあからまに、全てを見せられると、
かえって興ざめして思わず目をそむけてしまうことがあるのかもしれません。
そんな要らないことまで知らなくともいいと。

むしろ、モノの乏しい時代、技術のたちゆかない頃の人々のほうがは
その作品の中に、その向こう側に自分の夢、イマジネーションを
より多く追っていたのかもしれません。

いやいや、技術の発達した現代においても、
鑑賞者のイマジネーションをわきたたせる作品があるはずだ。
きっとそんな名品があるはずだ。
と、無聊を託つ私のような年寄りはこのようなくだらないことを考えながら、
古いものから新しいモノまで、むさぼるように鑑賞し、読みあさっております。
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Hocco21

Author:Hocco21
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芸州・ひろしまです。
小さい折から、太田川の
産湯を使い、
長じましては宮島の弥山を
眺めてその日暮らし、
年金生活をおくってます。
さあて、ここに
取りいだしたるは、
本や音楽のお話、
また、映画や写真の話題、
それに、楽しい話に、
くだらねー話と、もり沢山!
御用とお急ぎでない方、
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