井の中の蛙
大佛次郎『天皇の世紀』第1巻のみ読みました。
さすが加藤周一氏が絶賛しているだけあって、歴史に対する視点が素晴らしい。
例えばこうである。
『幕府時代の日本人は、住んでいる土地から一生離れないのが原則であった。
・・・都市が発達するに従って、商人の活動がさかんとなり、
農民も村を離れて労力を求める街に出て働くようになった。
世の中の組織が変わってきたのである。
よほど旅慣れたものでないと、旅の苦労を人が嫌がった』
ほとんどの人々は自分の澄んでいる国から外に出ることなく、
情報もあてにならない人伝であった。
お上の言うことが全てであった。こうした中で黒船がやって来る。
最初は宮中はもとより、幕府も旧弊にこだりは頑なに異国の排除しようとした。
自分たちだけの身分さえこれまで通りであればよかったのである。
一部の人たちは多少海外の情報を得ていたが、
日本国民ほぼ全員が井の中の蛙だったのである。
さすが加藤周一氏が絶賛しているだけあって、歴史に対する視点が素晴らしい。
例えばこうである。
『幕府時代の日本人は、住んでいる土地から一生離れないのが原則であった。
・・・都市が発達するに従って、商人の活動がさかんとなり、
農民も村を離れて労力を求める街に出て働くようになった。
世の中の組織が変わってきたのである。
よほど旅慣れたものでないと、旅の苦労を人が嫌がった』
ほとんどの人々は自分の澄んでいる国から外に出ることなく、
情報もあてにならない人伝であった。
お上の言うことが全てであった。こうした中で黒船がやって来る。
最初は宮中はもとより、幕府も旧弊にこだりは頑なに異国の排除しようとした。
自分たちだけの身分さえこれまで通りであればよかったのである。
一部の人たちは多少海外の情報を得ていたが、
日本国民ほぼ全員が井の中の蛙だったのである。